2017年12月18日
みきちゃんの医療独り言ー病院の理念の建前と本音ー
みきちゃんの医療独り言ー病院の理念の建前と本音ー
昨今、病院は理念、基本方針なるものを掲げて公表している。いわく、「患者さま中心の医療を実践」「患者さんを主体として」「患者さんの意思を尊重」等々。
私が大腸がんで入院、手術を受けた経験も踏まえて、現在の日本の医療はこれらの理念からほど遠いと思わざるをえない。
予約制と名ばかりの長い外来の待ち時間。すべての検査の必要性を十分説明を受けたという人はまずいないのではないか。治療については一時期よりは患者さんの意思や希望が尊重されるようになってきた。しかし、実施可能な十分な選択肢が与えられているだろうか。年齢だけを理由に主治医から「もう年だからこのまま様子みた方がいい。」「お年だから無理です。」と言われたという話も聞く。高齢でもまだ元気で、まだまだ長生きしたいという患者さんに対してである。
もし頭書の理念を厳密に実施しようとすると、患者さんを捌ききれなくなって、病院の機能は麻痺してしまうだろう。だから”患者さんへのお願い”として、「診療を円滑に受ける為、医療従事者の指示に従って下さい。」(静岡市内の某総合病院)とか「病院の規則を守って下さい。」と掲げざるをえないのである。これが本音であり、理念は建前という事である。
理念どうりの病院は可能なのだろうか。可能なら何年先なのか。建前で終らせないように、医療者全てが真剣に考えていただきたいものである。
(文 篠原みきお)
Posted by みきちゃん at 17:19
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