2017年01月16日
がん最新情報Ⅴー(続々)遺伝しやすい乳がんとはー
訂正 前回の記事に誤りがありました。下記のように訂正いたします。
遺伝子検査 (誤)2000~3000円→(正)20~30万円
前々回の記事からご覧いただけましたら幸いです。
がん最新情報Ⅴ(続々)遺伝しやすい乳がんとは
アンジェリーナ・ジョリーさんの手術後、何か変化あったか
ジョリーさんの手記は2013年5月にニユーヨークタイムズ誌に掲載されました。その前後で検査を受けた人、切除を受けた人数に変化があったかどうかの調査報告が出ました。
対象は2012~13年に保険に加入していた18~64歳の女性953万人余人です。
遺伝子(BRCA)検査の受診率は掲載前の10万人当たりO.71人/日から後は1.13人/日に増加しました。(相対増加率64%) 増加は12月迄継続しました。(1~4月の15.6人/万人→5~12月の21.3人で37%増加)
切除率は、前4か月は月平均7件/10万人が、後8カ月も同様でした。検査を受けた3万3千人余に限ると、検査後60日内の手術実施率は前4か月の10%が後8カ月は7%と減少しました。検査を受けた人はかなり増加しましたが、予防的切除を考慮すべき変異陽性の人は増えていなかったという結果でした。(ハーバード大、Sunita Desai他 BMJクリスマス号2017)
予防的切除で予後は良くなるか
前々回の記事で2002年から10年で3倍に増加したと述べました。この報告では乳がん特異的生存率及び全生存率に有意な改善はなかったとされています。即ち、予防的に両乳房を切除してもしなくても生存率に差が無かったということです。
今後の日本のあり方
カナダ有数のがんセンターで働く内野三菜子氏の報告です。
「オンタリオ州では保険で賄われるが、遺伝子検査やカウンセリングに厳格な適応、基準があります。(たとえば検査の基準で日本は45歳以下だが、こちらは35歳以下等) ただ“心配だから”だけではだめ。日本でもいずれは保険適用が検討されるでしょう。日本の実情に合った形として普及、定着するにはもう少し考えなければならない事がありそうです。」と記しています。(KUROFUNet 2013年9月)
結局、この疾患について知識の普及と国民の理解を深めた上で、社会の合意が必要という事ではないでしょうか。
(文責篠原)
遺伝子検査 (誤)2000~3000円→(正)20~30万円
前々回の記事からご覧いただけましたら幸いです。
がん最新情報Ⅴ(続々)遺伝しやすい乳がんとは

ジョリーさんの手記は2013年5月にニユーヨークタイムズ誌に掲載されました。その前後で検査を受けた人、切除を受けた人数に変化があったかどうかの調査報告が出ました。
対象は2012~13年に保険に加入していた18~64歳の女性953万人余人です。
遺伝子(BRCA)検査の受診率は掲載前の10万人当たりO.71人/日から後は1.13人/日に増加しました。(相対増加率64%) 増加は12月迄継続しました。(1~4月の15.6人/万人→5~12月の21.3人で37%増加)
切除率は、前4か月は月平均7件/10万人が、後8カ月も同様でした。検査を受けた3万3千人余に限ると、検査後60日内の手術実施率は前4か月の10%が後8カ月は7%と減少しました。検査を受けた人はかなり増加しましたが、予防的切除を考慮すべき変異陽性の人は増えていなかったという結果でした。(ハーバード大、Sunita Desai他 BMJクリスマス号2017)

前々回の記事で2002年から10年で3倍に増加したと述べました。この報告では乳がん特異的生存率及び全生存率に有意な改善はなかったとされています。即ち、予防的に両乳房を切除してもしなくても生存率に差が無かったということです。

カナダ有数のがんセンターで働く内野三菜子氏の報告です。
「オンタリオ州では保険で賄われるが、遺伝子検査やカウンセリングに厳格な適応、基準があります。(たとえば検査の基準で日本は45歳以下だが、こちらは35歳以下等) ただ“心配だから”だけではだめ。日本でもいずれは保険適用が検討されるでしょう。日本の実情に合った形として普及、定着するにはもう少し考えなければならない事がありそうです。」と記しています。(KUROFUNet 2013年9月)
結局、この疾患について知識の普及と国民の理解を深めた上で、社会の合意が必要という事ではないでしょうか。
(文責篠原)
Posted by みきちゃん at 16:22
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