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みきちゃん

2017年02月24日

がん最新情報Ⅶ 肝臓がんQ&A

がん最新情報Ⅶ 肝臓がんQ&A

emoji33肝臓がんの原因、予後、特徴

Q1 肝臓がんの原因は何ですか?
A1 約90%がB型、C型肝炎ウイルスの長期かつ継続的な感染が原因です。


Q2 早期に発見できますか?
A2 早期に症状はありませんが、ウイルス感染が陽性で定期的なチエックで早 期に発見できます
事実、Ⅰ期(がんが1個、大きさ2cm以下、脈管浸潤なし)で44%、Ⅱ期(先の内2項目は相当)で24%で、3分の2が比較的早期に発見されています。

Q3 予後はどうですか?
A3 5年生存率32.2%、10年生存率15.3%と良くありません。5年過ぎても生存率が大きく低下し続けるがんは他にありません。


Q4 なぜそんなに予後が悪いのですか?
A4 再発率が高い(5年で80%位再発)からで、これが肝臓がんの特徴です。最初からあちこちに多発しているという説もあります。


emoji33肝臓がんの治療

Q5 切除手術の適応は
A5 肝障害度(後述)A,Bで数が3個以下であれば切除手術の適応になります。


Q6 がんの大きさは関係ないのですか?
A6 ガイドラインでは大きさの規定はありません。しかし、慢性肝炎や肝硬変がベースにありますから、取りすぎると術後肝不全から死にいたることもありますので、術前の十分な検索が必用です。


Q7 腹腔鏡下手術は行われますか?
A7 肝臓は解剖学的に8つの亜区域に分けられます。2016年に2~3区域(右葉も)切除が保険で認められましたので、大きい腫瘍や複数個のがんも可能になりました。


Q8 ラジオ波焼却療法(RFA)とはどんな治療法ですか?
A8 体表から電極針をがんまで刺して通電し、先端部に100°Cの高熱を発生させてがんを焼く治療です。2004年から保険が適用されました。大きさ3cm以下、3個迄が一応の目安です。1回の通電時間は10~20分です。


Q9 RFAの成績はどうですか?
A9 日本でトップクラスの施行例を持つ東京大学の15年間、約8000件の内初発例1616例の成績です。(建石:52回日本肝臓学会2016)

               3年時       5年時       10年時
  全生存率                 62.3%      28.2%
  再発率        68.5%     81.4%      89.5%
  局所再発率      4.0%      4.1%


 全国の10年生存率は、Ⅰ期約30%、Ⅱ期17%ですから、長期生存を期待させる成績と思われます。 
2014年の平均腫瘍径は17.1mmで、「小さい腫瘍なら1回の治療で終了する。」「主要な治療法として今後も大きな役割を果たしていく。」としています。


Q10 RFAに危険性はありませんか?
A10 重症な合併症(腹腔内出血、胆道出血等)は1999年当初から約3%と低く、現在は1%未満です。(建石)全身への負担が少なく、比較的安全に何回もできるのが特徴です。


Q11 初めての治療で(3cm以下で3個以内)切除とRFAのどちらを選択したらいいでしょう?
A11 両者の成績に差がないという報告もあるようですが、議論のあるところで、今後さらに検討が必要です。


Q12 RFAはどこの病院で行っていますか?
A12 静岡県内では、県立がんセンター、県立総合病院、順天堂静岡病院、富士市立中央病院等が年40件以上の経験があります。(読売新聞医療部編「病院の実力」2016年から)


Q13 再発に対して再切除は可能ですか?
A13 根治的肝切除後の再発で再切除を行った146例の報告です。(山下:九州がんセンター EuropeanCancerCongress2015
)

            (全)再切除例   肝障害度A     肝障害度B
5年生存率         75%        77%        20% 
5年無再発生存率     16%        21%         0%



肝障害度分類(日本肝癌研究会2009年)
                   A          B          C
腹水               なし     治療効果あり    治療効果少ない                    
血清ビリルビン(mg/dl)  <2.0    2.0~3.0     >3.0 
血清アルブミン(g/dl)   >3.5    3.0~3.5      <3.0 
ICGR15(%)          <15      15~40      >40  
プロトロンビン活性(%)   >80      50~80      <50



肝障害度Aに比べてBは生存率が極端に低いです。肝障害が比較的軽いAは再切除を選択できますが、B~Cは他の治療(RFA、血管塞栓術、肝移植等)を選択したほうがいい結果です。  

emoji33肝臓がんで死なないために

肝臓がんになったら一生“再発との戦い”を強いられることになります。まずならないこと、もしなっても小さい内に発見することが大切です。

Q14 肝臓がんにならないためにはどうしたらいい?
A14 B,C肝炎ウイルス検査(血液検査)を一度は必ず受けましょう。(自治体で無料でできます。)もし陽性ならウイルス根絶の治療を受けましょう。定期的な検査を継続(ウイルスが消失した後も)しましょう。
                       (文責 篠原) 



Posted by みきちゃん at 15:30
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