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みきちゃん

2018年01月11日

がん最新情報ⅩⅥ 乳がん術後の化学療法

がん最新情報ⅩⅥ 乳がん術後の化学療法
がん最新情報ⅩⅥ 乳がん術後の化学療法

乳がんの手術後に化学療法(抗癌剤治療)を行うかどうかは、患者さん個々のいろいろな状態や因子で判断されます。早期乳がん(ステージ0、Ⅰ、Ⅱ期)では患者さんの希望も含めて検討されなければなりません
emoji33治療法決定に必要な因子
日本乳癌学会の「乳がん診療ガイドライン(2014年)」では次の項目をあげています。
①腫瘍の大きさ(リンパ節転移なければ5cm以上でもⅡ)
②腋窩リンパ節転移の有無(有でも大きさ2~5cmでⅡ)
③がんの悪性度(グレード1~3、3は悪性度高い)
④増殖指数(Ki67*1)
⑤ホルモン受容体(エストロゲン、プロゲステロン受容体)
⑥HER2タンパク発現*2
⑦他臓器への転移の有無
これらの内多く(①~⑥)は切除されたがんの病理組織検査で判ります。

*1 Ki67 細胞核に多くみられるタンパク質で、増殖能を示す指標。高いほど悪性度高いが抗癌剤が効きやすい。基準はまだ確定されていないが、14%以下で低値、30%以上は高値で化学療法の適応とするのが一般的。
*2 HER2 乳がんの約20%で陽性。従来陽性は予後が悪かったが、分子標的薬(ハーセプチン等)の登場で陰性より良くなった
。(J.Clin.Oncol.28,2010)

emoji33早期乳がん患者で化学療法を受けない人が増加している
米で早期乳がん2926人を対象にした調査では、化学療法を受けた人は2013年の34.5%から2015年は21.3%に減少していました。
「化学療法の有害性が有益性を上回る場合がある事が認識されるようになったのが一因」と述べています
。(J.of the National cancer Institude ,2017 12)

emoji33代替医療の利用と死亡リスクの上昇
タレントの小林麻央さんが乳がんで亡くなったことはツイッターと共にマスコミで大きく報道されました。彼女は乳がんと診断された後標準治療を受けないで、かなりの期間民間療法(温熱療法)を行っていた為に治癒する可能性を無くしたようです。
米では患者や家族の代替医療への関心が高まっています。2006年~2010年の早期乳がん685人の調査では87%の人が何らかの代替医療を利用していました。
代替医療は、ビタミンやミネラル、ハーブ等の植物製品、心身の自己鍛錬(ヨガ、瞑想)、鍼治療などでした。
しかし、代替医療だけでは死亡リスクが高いとする報告があります。2004年~2013年の840例のがん(乳腺、肺、大腸、前立腺)で、代替医療だけ280例と標準治療560例の死亡リスクを調べた結果です。全死亡のハザ^ード比は2.5倍で、特に乳がんは代替医療だけの死亡リスクが5.68倍とかなり高値でした。
(JNCI 2017 8)
代替医療だけに頼るのはリスクを十分考慮する必要がありそうです。

emoji33病理検査をしっかり受けて、医師とよく相談する事が必要
化学療法の併用で予後が良いとしても、副作用を恐れて躊躇する人は少なくないでしょう。どれだけ効果があるのか疑問を持ちながら受ける人も多いと思います。まずは病理検査をしっかりやってもらって、結果を元に主治医とよく相談しましょう。
ホルモン療法を行うかどうかの指標になるホルモン受容体やHER2は今は黙っていても検査してくれるでしょう。Ki67も大事ですから調べてもらいましょう。
次回は、化学療法を行った方が良いかの判断材料になる、予後、再発リスクを予測する遺伝子検査について記したいと思います。
                                     (文責 篠原)








Posted by みきちゃん at 15:37
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