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みきちゃん

2017年07月04日

がん最新情報ⅩⅠ 中学生のピロリ菌検診・除菌は是か否か

がん最新情報ⅩⅠ 中学生のピロリ菌検診・除菌は是か否か


がん最新情報ⅩⅠ 中学生のピロリ菌検診・除菌は是か否か がん最新情報ⅩⅠ
中学生のピロリ菌検診・除菌は是か否か


胃がんとヘリコバクター・ピロリ菌(HP)については2016年8月12日投稿の「がん最新情報Ⅰ」を是非ご覧下さい。
この中で、症状の無い健康者の除菌については、胃がん発症や胃癌死亡は減らすかもしれないが(差が無いとの反論がありました)、総死亡は減らず、現段階では除菌で胃がんが予防できるか明確でない、ということでした。
HP感染の大半は幼小児期と推測されています。「HP感染の診断と治療のガイドライン」作製委員長の加藤元嗣氏は、「年齢が低い内に除菌できれば将来胃がん発症を防げる可能性が高い。」と話し、中学生以降がスクリーニング検査の対象になる、としています。


emoji33佐賀県の県単位での取り組み
中学生を対象にした除菌費用迄助成する自治体は2013年岡山県真庭市に始まり、今回の佐賀県で10か所になります。(日経メヂカル編集部調べ、Report2017/6/8)
2016年度佐賀県は中学3年生約9000人全員を対象に検査を開始しました。県単位では初めてです。
事業の流れは、同意した生徒に学校検診に追加する形で尿中抗体検査(1次検査)を行います。陽性の場合便中抗原検査(2次検査)を行い、陽性者は15歳になってから除菌が行われます。治療は、ボノプラザン(タケキャブ∸抗潰瘍薬ー)、アモキシシリン、クラリスロマイシン(いずれも抗菌剤)、宮入菌製剤(ミヤBM)を7日間服用します。服薬後2~3カ月に除菌治療の説明を受けた医療機関(県内20か所)で尿素呼気試験で除菌判定を行います。


emoji331年間の実績の結果
6888人が検体を提出し、1,2次共陽性者は248人(3.6%)でした。除菌を行った178人で判定結果が出た98人中85人(86.7%)が除菌に成功しました。副作用は殆ど無かったようです。

emoji33中学生除菌の問題点と反対論
日本ヘリコバクター学会理事長の富山大学杉山敏郎氏は、「ボノプラザンは国内では小児に保険適用が無く、外国では安全性から承認されていないので、健康な小児に用いるべきではない。」と強調します。順天堂大学清水俊明氏は、HPの薬剤耐性化の恐れを指摘しています。日本小児栄養消化器肝臓学会は、小児(中学迄と規定)への胃がん予防を実際に証明したエビデンスが無いことを理由に、現状では推奨できない旨公表する予定です。

emoji33あなたの子どもに除菌を奨めますか?
自分の子どもが将来胃がんになることをもし止められるなら止めたい、と親なら誰も思うでしょう。中学生の検査・除菌が今後拡がっていくかはわかりません。私は、30歳以下の感染率が約25%と低い(中学生はもっと低い)時期での検査はどうか?という疑問があります。又、「除菌したから、又はHP陰性だから私は一生胃がんにならない。」と錯覚する生徒が多く出てくる恐れが心配です。この子たちが30~40年後癌年齢に達したときの発症率の比較研究を待たなければ、この是否は判らないのではという気がしています。
                                         (文責 篠原)


Posted by みきちゃん at 17:22
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